ひとり

職場は特殊な環境なので人と話さない日がよくある。

最低限、朝と帰りの挨拶のみで終わる。

家では独り身。

長いことしゃべらない。

友人はいたが、疎遠。

試しに「ゆでたまご」という。口が回らない。

独り言が多いので大丈夫だと勝手に思っていたがそうでもないのだな。

友人よりも先に、会話する相手が必要だ。が。

職場は特殊、趣味のゲームは話す人がいない。

おしゃべりは好きだったはず。むしろしゃべりすぎてうるさがられることがあった。

良く回った口はぴたりと閉まり、重くなった。

いつからこうなったのか。

だが苦痛と感じていない自分もいる。

麻痺したのか。

それともこれくらいが丁度いいのだろうか。

全くわからない。

前の職場は姦しく、私はよくしゃべっていた。

お互いの腹を探りながら。面倒であった。現場作業だったのもあるが、どっと

疲れた日が続いた。

今の職場は対称的だ。換気扇の音。空調の音。外の音。かたかたとキーボードをたたく音。

どれもひそやかだ。

今の方が精神的に落ち着き、楽である。

よかったのだろう。たぶん。

コメント

タイトルとURLをコピーしました